印刷やデザイン関係の仕事をもう長いことやっていますが、ここ10年くらいで顕著に増えたものが「もうちょっとアナログ感がほしい」とか「手書き風のフォントで」のようなアナログ志向なオーダーがめちゃくちゃあります。
70’s、80’sの広告、チラシなどはがんばってアナログ感をおさえて”近未来的”な画像を作ろうとしましたが、現代は高性能なデジタル技術で「アナログ感」を求めているという、なんともチグハグな世界だなぁと思っています。
中でもアナログ感をものすごい求めてこられるクライアントさんが毎回「手書き風で」という指定箇所があって、色々めんどくさかったのでiPadで手書きにしたところ一発OKが増えたというどうしようも無い事も割と多いのです。
前置きが長くなってしまいましたが、今回は昔の粗いコピー機(単色輪転機)で刷ったような質感を要望された際にザッと作ったPSDを共有がてら紹介いたします。
■まずはイラレで普通に作る
今回はイラレで作成したフライヤーの最終処理としてPhotoshopで加工するという形です。もちろんPhotoshopのみで作成するのも問題ないです。
ともあれまずはイラレで作ります。
今回はガサガサに相性のいい昔のハードコアパンクバンド、BSY(Bored Suburban Youth)の画像を使用して作ってみたいと思います。
(Creative Commons[CC BY-SA 3.0] BSY hardcore punk 1987.jpg ©Bored Suburban Youth ©Junhth)
できました。写真にそれっぽい文字を載せただけです。
■Photoshopで加工する
①イラレで作ったデータをPhotoshopにコピペします。この際には「スマートオブジェクト」で貼り付けます(後で文字の編集などもできるようになるので)。
②コピペしたスマートオブジェクトに[フィルター]→[フィルターギャラリー]からフィルターをかけます。
かけるフィルターは下から順に以下の通り。
- [粒状]の粒子の種類の[横]を適宜。
- [粒状]の粒子の種類の[小斑点]を適宜。
- [色相・彩度]で[彩度ゼロ]モノクロに。
- [シャドウ・ハイライト]で微調整。
だいぶそれっぽくなりましたが、白抜き文字がクッキリなので、この上に「ガサガサの紙」と「周縁の粒子感」を乗算してのせました。
この最後の味付けはお好みで。
これでひとまず完成です(拡大して見てみてね)。
PSDデータを置いておきますので使ってみたい方は使ってみてください。ライブハウスなどの暗い画像前提で作ったので、使う際に適宜調整するとよいでしょう。 バンドの画像はPhoto ACさんでお借りしたギターの画像に差し替えてあります。
★PSDデータの使い方
レイヤー構成としては右図の通りです。青いラベルの”元画像”のスマートオブジェクトをダブルクリックして、そのファイルに貼り付けなり作成して保存すると反映されます。
それではよいPhotoshopライフを!