PDFには様々な機能があり、セキュリティ関係でも設定次第で強固なデータを作成できる優れたファイルフォーマットです。
①開く際にパスワードを要求する
②編集・印刷を制限(パスワード制)
③コンテンツを暗号化(Acrobat7以降対応)
④PDFの発行元を保証する (証明書による文書の保護など)
今回は上記の中で、②の「編集・印刷を制限」したファイルが自由に使えてしまう、という不具合?の話です。
■編集制限のパスワードをかけたPDFが…
編集をできないようにパスワードをPDFにかけるのは、主に不特定多数に向けてWEBにアップされるPDFデータや、納品後に二次使用されないようにデータにパスワードを掛けることが往々にしてあります。
この保存方法をしたPDFデータは開くことはできますが、編集をしようとするとパスワードを要求されるので、作成側としては安心していましたが、、
しかしコレを無効にしてしまう方法があります。
「別名保存」です(フツーの機能!)。
AcrobatやIllustrator,Photoshopなどで編集・印刷をパスワード制限をかけても、AcrobatやMacOSのプレビューなどで別名保存すると、ただのPDFとして扱えてしまうのです。もちろん、イラレで開いて編集などもできてしまいます。
これってどうなのでしょう..
Adobeのヘルプを見ると
パスワードを設定し、印刷や編集など特定の機能を使用禁止にすることで、PDF へのアクセスを制限することができます。ただし、PDF ファイル自体のコピーを制限することはできません。コピーした PDF ファイルには、元の PDF と同じ制限が適用されます。
ファイルのコピーはできるけど、制限もコピーされるとは書いてありますが、別名保存すると無意味になることはどこにも書いてありませんでした。
これはセキュリティとしての体をなしているのだろうか..
■まとめ
WEB上に二次使用防止のつもりで編集制限をかけてアップしてもかんたんに制限が解除されてしまうことがわかりました。
PDFの別名保存不可設定もセットにしないと「セキュリティ」という名目にはまったくなっていません。
開く際にパスワード制限をかけるのがデータのセキュリティとしてはいいものの使い勝手が悪くなりますので、諦めたほうがよさそうですね..