Photoshopでアメコミ風味にする必要があり、PSDでさくっと作ったので、せっかくなので共有までにエントリーに起こしておきます。
そもそも「アメコミ風」というオーダーだったのですが、そのアメコミの指すところが、最近のものなのか古いものなのかが、曖昧だったのでヒアリングしたところ、「アーリーアメリカンコミック」ということでしたので、その特徴を画像検索してみました。
受けた特徴としては、
- 線数が粗い(網点がよく見える)
- インクがコテコテしている
- 原色ではないものの色使いが特徴的
- 輪郭線がほぼ必ずある
という部分が特徴でした。
特徴的な色使いに関してはTwitterでこのようなつぶやきを見つけました
今日のトリビア:昔のアメコミの印刷で使えたCMYKの濃度は20%・50%・100%だけであり、この限定された色使いが独特のポップさにつながっていた
— бxйп (@bxnew9) August 26, 2011
これにはものすごく納得しました。参考になります。
■参考にしてフィルターで作ってみます
20%,50%,100%にCMYを分解して乗算させればいい結果が出るかと思いましたが、そこまで細かく再現しなくてもいい案件でしたので、網点の処理に関してはカラーハーフトーンフィルタで済ませました。
作成の手順としては、非常に単純で、
- コントラストをあげて「っぽく」する
- [カラーハーフトーンパターン]をスマートフィルタでかける
- [ポスタリゼーション]で階調を減らす
- [色相・彩度]でCMYでおおよそ各色のみ抜き出す
- [色相・彩度]で抜き出したCMYをCMYっぽく[色彩の統一]にチェックを入れて彩色する
- Kは[2階調化]でのせる
- それぞれを乗算する
このような手順で設定しました。

色々な画像で試してみましたが、やはり輪郭線がハッキリしていて色使いもハッキリしている画像に対してはいい味が出ると思います。
PSDはこちらにおいておきますので、ご興味のある方はご自由にどうぞ。→https://koyanagiken.com/psd_filter.zip
※macOS Mojave / Photoshop CC2020 にて作成
■見本PSDの使い方
C版フォルダの[元画像]というスマート画像内に対象画像を貼り付ければOKです。
応用として、網点を大きくするには各版の[カラーハーフトーン]の網点サイズを変更すればOKです。また、各インクの色は”色彩の統一”で使っている[色相・彩度]の色味を少し調整すれば退色感、あるいはコッテリ感を自由に操れると思いますのでお試しください。
■時間があればやりたいこと・課題
- ハーフトーンパターンを色分解してからかける
- 網点のパーセンテージに合わせてCMYをC20,C50,C100%などに分ける
元画像にハーフトーン効果をかけているので、K版にCMYの網点がはみ出ている感じになっているのが不満な部分です。元画像のKだけバッツリ抜いた上で網点処理をしたい所です。これらをスマートに実現できる方法はないかな、と思いました。
それではよいPhotoshopライフを!