印刷関係のなんでも屋的な活動をしているので、「モノクロ写真をカラーにしてください」という依頼も稀にくるのですが、数年前からディープランニングを使って白黒写真をカラー化するプロジェクトが話題になり、すわ廃業!(稀な依頼ですが)と思った事もありました。
何せ複雑な写真、劣化の激しい写真などは丸々2工数程度かかってしまうので、費用もそれなりの金額になるという、なかなか手のかかる作業なのであります。
それがものの数秒プログラムを動かせばできてしまうとなれば素晴らしい技術です。
そのカラー化プロジェクトの多くはソースコードを公開しているため、それを利用してWEBサービスにして公開している方々がいらっしゃるおかげで、気軽にモノクロ写真のカラー化を試せる機会も増えてきています。
■モノクロ写真のカラー化をWEBサービスにしているサイト
siggraph2016_colorization https://colorize.dev.kaisou.misosi.ru/
ColouriseSG https://colourise.sg/
Colorize Black and White Photos – Algorithmia https://demos.algorithmia.com/colorize-photos
いずれのサービスでも手元のファイルをアップロードして少し待つだけで結果が得られますので、とても手軽にカラー化を試すことができます。
■MacのAppStoreにもあったので買ってみた
MacのAppStoreにも「PhotosRevive」というアプリケーションとして販売されていたので、その心意気に過度な期待はしないまでも購入してみました。
こちらはアプリケーションということもあり、全体の調子をパラメーターでいじったり、「ちょっとここの色違うかな」という箇所を細かく指定できる、というのが特徴かもしれません。
■試した結果は
■まとめ
”わかりやすいモチーフ”の”ピントの合っている解像度の高い写真”、は結構カラー再現度が高いと思います。これは手作業でやる際もネックになるポイントなので当然なことかと思います。
これらの色付け結果のデータの利用先としては、現在のところ何かに使うレベルではまだないと思われます。「こんな雰囲気なのね」と個人で楽しむ程度の用途にとどまる印象です。
ただ、実際に色付け作業で仕事をする身としては、色の参考にはとてもなります(ここは黄色と判断するか等)。
研究されている方々には最大の敬意を表して、カラー化技術の進歩を願ってやみません。